肺炎

肺炎とは

肺炎とは、細菌やウイルスが肺に感染したり、誤嚥やアレルギー、寄生虫などにより肺が炎症を起こしてしまっている状態のことを言います。

肺は、酸素を取り入れ、二酸化炭素を排出し、生命維持に重要な役割を果たしている臓器であることは皆さんご存知だと思います。
肺炎は、発症すると本来の肺の活動ができなくなってしまい、重症になると呼吸困難を起こして命に関わることもある病気です。

肺炎は進行すると、肺水腫という病気を併発してしまうこともあります。
肺水腫とは、肺の中に血液の一部の液体が溜まってしまうことにより、肺の活動が低下し、呼吸ができなくなってしまう病気です。

目次

肺炎などで起こる呼吸困難の見分け方

もし、あなたの愛犬がいつもよりも呼吸が荒くなっている場合、呼吸困難と見抜くことができるでしょうか?

犬は、舌を出し、ハァハァと浅く速く息を吸ったり吐いたりする『パンティング』という呼吸を行います。
パンティングは、気温が高い季節や、走った後などによく見かける呼吸法です。
人間は、全身に汗をかくことによって体温調節を行いますが、犬は汗を出す汗腺が足の裏などにしかないため、パンティングを行い、口内の唾液を蒸発させて体温調節を行っているのです。
よって、呼吸困難とは別のものになります。

では、『呼吸困難のとき、犬はどういった状態になるのか』について説明します。
呼吸困難の時は、以下の症状がチェックポイントとなります。

・呼吸をするたびにゼェゼェと呼吸音がする
・動けない
・横になることができない
・体全体で呼吸を行う
・首を伸ばして前足を突っ張る仕草をする
・チアノーゼが見られる
など

チアノーゼとは、血中の酸素濃度が低下することにより、血液の成分のヘモグロビンの数が多くなるために起こります。
チアノーゼを起こすと、犬の歯茎、舌、爪、皮膚の色が、暗赤色、紫色になります。
この場合は、失神や痙攣などを起こす可能性があるため、早急に動物病院に連絡し、連れて行きましょう。
動物病院には、高酸素室(通常よりも高濃度の酸素で満たされている空間)などにより、呼吸の息苦しさを軽減できる設備を整えているので、ひとまず安心できると思います。
その後に、詳しい検査などを行い、呼吸困難になった原因を探ってもらいましょう。

肺炎の症状

・咳をよくする
・ぐったりしている
・食欲減退
・嘔吐
・呼吸が速い
・呼吸が苦しそうにしている
・発熱
・くしゃみをよくする
・鼻水が出ている
・呼吸困難
・チアノーゼ

肺炎の原因

犬の肺炎の原因は多岐に渡ります。

・細菌性
免疫力が弱くなることで、肺に病原菌が侵入し発症するもの

・真菌
カビの1種であるブラストセミスやヒストプラズマを吸い込み発症するもの

・ウイルス
アデノウイルス2型、ジステンパーウイルス、パラインフルエンザウイルスなどの感染により発症するもの

・寄生虫
フィラリアなどにより発症するもの

・誤嚥性(吸引性)
気管に異物が入ることにより発症するもの

肺炎の予防

肺炎を予防するためには、まずは、健康的で適切な栄養のある食事を心がけ、適度な運動を行うことです。
免疫力の低下は、肺炎のみならず、様々な病気の原因に繋がりますので、普段の生活から気を付けてあげることが大切です。

さらに、ウイルス感染や寄生虫の寄生を阻止することです。
アデノウイルス2型、ジステンパーウイルス、パラインフルエンザウイルスの感染は、ワクチンで防ぐことが可能です。
フィラリアも予防することが可能なので、適切な期間が訪れたら、動物病院で処方してもらいましょう。

また、シニア犬は嚥下能力が衰えがちになるため、誤嚥が多くなる傾向があります。
よって、餌を与える時は、食べやすい柔らかさのものを与えたり、様子を見守ってあげることが大切と言えます。

肺炎になりやすい犬種

ドーベルマン
ジャーマン・シェパード
など

真菌性肺炎は上記の犬種に多く見られる傾向がありますが、その他の肺炎は、どの犬種にも起こり得る病気なので注意が必要です。
また、子犬の場合は、ワクチン接種前にウイルス感染をしてしまっていることがあり、肺炎に繋がることがあるので特に注意が必要です。

わんちゃんに不安なことがあれば、獣医さんにご相談ください。

投稿者プロフィール

みやびさん
みやびさん小動物看護士・ペット繁殖指導員・ペット販売士
ポメラニアンとポメチーの女の子のママしています。
ペットショップ勤務をしていましたが、現在はペットに関するライターをしています。
家族と犬がより良く過ごせるように応援しています♪
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