寒冷凝集素症

寒冷凝集素症とは

寒冷凝集素症とは、低温にさらされた赤血球同士がくっついて固まってしまい血管炎や血液の詰まり、循環不全をおこす病気で、人間でいう『しもやけ』の状態に近い病気です。
寒冷凝集素症は、朝夕の寒さが厳しくなった季節や特に寒い地域で生活している犬などに時折見られますが夏場での発症もありますので注意が必要です。

目次

寒冷凝集素症は体の先端部で症状がよく出現する

寒冷凝集素症は、耳や鼻、足、尻尾などの体の先端部で、気温の変化を受けやすい場所に症状が現われます
寒冷凝集素症によく似た病気に、皮膚血管炎があります。

寒冷凝集素症は、低温にさらされた赤血球がくっついてしまう(凝集)ことにより作り出される抗体などが原因になり、皮膚に潰瘍ができ出血したり、細胞の壊死が起こります。
特に特定の犬種が発症しやすい傾向があることから、自己免疫疾患であるとの見方も強まっています。

犬の寒冷凝集素症は、耳に発症することが多く、耳は毛細血管がたくさん流れていることもあり出血するとなかなか止まらず、焦ってしまう飼い主さんもいると思います。
その場合は、清潔なガーゼやタオルで覆って、動物病院で止血をしてもらいましょう。
また、細胞の壊死により、耳の一部が欠損してしまうこともありますので注意しましょう。

寒冷凝集素症の症状

・皮膚が赤くなる
・皮膚が紫色に変色する
・潰瘍ができる
・耳や鼻、足の先端、尻尾などから出血する
・脱毛
・かさぶたができる
・体の先端部分を痛がる、気にする素振りを見せる
・体の先端部分を触ると冷たく感じる

寒冷凝集素症の原因

寒冷凝集素症の原因は、自己免疫疾患のトラブルと考えられていますが、他にも下記のものも原因ではないかと言われています。

鉛中毒
甲状腺機能低下症
・感染症
アレルギー

寒冷凝集素症の予防

寒冷凝集素症の予防は、犬の体の中でも特に先端部分を保温してあげることです。
寒冷凝集素症は、特に耳の発症が多いことから、スヌードや帽子、フードを被せてあげることによって、冷たい空気が耳に直接あたらないようにしてあげましょう。
また、マッサージによる血流促進も予防になります。
自宅で暖かいお風呂に入れて全身を温めつつ、体の先端部分をマッサージしてあげると効果的です。

イタリアン・グレー・ハウンドやミニチュア・ピンシャーは特に被毛が少ない犬種であることから、外気温の変化を受けやすい犬種でもあります。
よって、朝夕の気温差が出るころにはこのような予防をしてあげましょう。
しかし、これらの犬種の予防策といってもカイロや湯たんぽなどの温度調節が難しいもので温めすぎると、低温やけどをおこしてしまう場合もあるので充分注意してください。
また、夏場はエアコンで寒くなりすぎないように、温度調節を行ってあげることも大切です。

寒冷凝集素症なりやすい犬種

ミニチュア・ダックスフンド
イタリアン・グレー・ハウンド
ミニチュア・ピンシャー
など

わんちゃんに不安なことがあれば、獣医さんにご相談ください。

投稿者プロフィール

みやびさん
みやびさん小動物看護士・ペット繁殖指導員・ペット販売士
ポメラニアンとポメチーの女の子のママしています。
ペットショップ勤務をしていましたが、現在はペットに関するライターをしています。
家族と犬がより良く過ごせるように応援しています♪
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