天疱瘡(てんぽうそう)

天疱瘡とは

天疱瘡とは、人間や犬を含むあらゆる哺乳類に発生する自己免疫性の皮膚疾患です。
よって、人間や他の動物に感染することはありません。

天疱瘡は、夏に発症、悪化することが多い病気です。

目次

天疱瘡は5つに分類される

天疱瘡は、症状や発生部位により5つに分類されます。

落葉性天疱瘡(らくようせいてんぽうそう)

まぶた、鼻筋、耳介、肉球や指の間に脱毛、炎症、かさぶた、膿疱の症状が見られます。
初期には顔を中心に症状が現われますが、進行すると全身に広がることもあります

紅斑性天疱瘡(こうはんせいてんぽうそう)

落葉性天疱瘡の亜型と言われており、頭部や首回りに赤い発疹や膿疱が出現します。

尋常性天疱瘡(じんじょうせいてんぽうそう)

口腔内、唇、歯茎、舌、肛門、外陰部の周りに水疱や膿疱、びらんが出現します。
強い痒みを伴うため、脱毛や患部のかきこわしをしてしまう犬もいます。

増殖性天疱瘡(ぞうしょくせいてんぽうそう)

太ももの付け根、鼠径部、腋の下などの皮膚が擦れあう部分に水疱や膿疱、びらんが出現します。
びらんは乳頭状のものであり、増殖します。

腫瘍性天疱瘡(しゅようせいてんぽうそう)

悪性腫瘍により発症します。

犬では、落葉性天疱瘡の発症が1番多く、次いで尋常性天疱瘡になります。
また、増殖性天疱瘡の発症は稀であると言われています。

天疱瘡の症状

・脱毛
・炎症
・皮膚の赤み
・皮膚にできものができている
・かさぶたができている
・水疱ができた
・膿疱ができた
・皮膚や粘膜がただれている

天疱瘡の原因

天疱瘡の原因は、表皮と表皮を繋ぐ細胞にあるタンパク質を異物と認識し、自身の免疫が攻撃をしてしまうことです。
天疱瘡を発症する引きがねは、遺伝的要因、細菌やウイルス感染、紫外線、アレルギー、薬物によるものなどが挙げられますが、詳しいことはまだわかっていません。

天疱瘡の予防

天疱瘡は、免疫疾患が原因であることから予防が困難と言えます。
しかし、発症する引きがねの中にある、細菌やウイルス感染、紫外線やアレルギーについては予防をすることが可能です。
細菌やウイルス感染を起こさないように、年齢に合った食事や適度な運動をし、健康にペットが暮らしていけるようにしてあげましょう。
また、犬自身の体、生活環境も含めて清潔にしてあげましょう。
アレルギーは、動物病院で血液検査を受けることでわかることもありますので、定期的にチェックしてもらいましょう。

さらに春~秋にかけての紫外線の強い季節には、昼間の散歩を避け、朝夕の紫外線が少ない時間帯にしてあげましょう。
近年はペットの服に紫外線をカットする加工が施されているものも販売されていますので、是非活用してみてはいかがでしょうか?

天疱瘡なりやすい犬種

ビアデッド・コリー
秋田犬
ドーベルマン
チャウ・チャウ
ミニチュア・ダックス・フンド
など

わんちゃんに不安なことがあれば、獣医さんにご相談ください。

投稿者プロフィール

みやびさん
みやびさん小動物看護士・ペット繁殖指導員・ペット販売士
ポメラニアンとポメチーの女の子のママしています。
ペットショップ勤務をしていましたが、現在はペットに関するライターをしています。
家族と犬がより良く過ごせるように応援しています♪
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