回虫症(トキソカラ症)

回虫症とは

回虫症とは、回虫という寄生虫の卵が体内に入り込み、腸内に寄生することを指します。
回虫は、体長4㎝~18㎝の細長く白い寄生虫です。
感染経路は、回虫症を患った動物の糞便中に排出される卵が土壌などの環境中に汚染が広がり、それを口から摂取すること、または妊娠中の母犬から子犬への母子感染です。
母子感染には、母犬の胎盤を介しての感染と、産まれてからの母乳を介しての感染に分かれます。
回虫には複数の種類がありますが、犬が感染する回虫は、主に犬回虫であり、他にも犬小回虫があります。
回虫症は、稀に人間にも寄生するため、人畜共通感染症(ズーノーシス)の1つであると言えます。
そして、人間が回虫の卵を摂取し発症すること(幼虫移行症)をトキソカラ症と呼びます。

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健康な成犬なら無症状、しかし子犬は重症化しやすい

回虫の卵は、目に見えないほど小さなものですが、長期間環境に耐えることができることで知られています。
しかし、糞便中に含まれる回虫の卵は、まだ感染することができない状況であり、感染することができるようになるには排泄されて約1週間~3週間の経過が必要です。
よって、感染犬が排泄をした便であっても、すぐには感染をすることはありません。
また、健康な成犬では体内に回虫が入ったとしても、回虫は成虫になるまで至らず、幼虫のままであることが多く無症状であることが多いため、感染に気付きにくい点があるので注意しましょう。
しかし、感染犬は便の中や吐き戻した吐瀉物の中に、回虫が見られることから発見に至ることが多い傾向にあります。
子犬の場合は、嘔吐や下痢の消化器症状、栄養失調、低体重などの発育不良を起こすので早期発見が大切です。
回虫は犬や終宿主であることや、人間には本来感染しない寄生虫であるため、人間に感染した場合は、皮膚や脳、目、肝臓などのあらゆる臓器に回虫が迷い込み、炎症や障害を起こしてしまい、深刻な後遺症を残すこともあるので注意してください。

回虫症の症状

・便の中に紐のような虫が混ざる(回虫の成虫)
・下痢
・紐のようなものを吐く(回虫の成虫)
・強い吐き気
・食欲が落ちる
・食べているのに痩せる
・体重減少
・栄養失調
・毛ヅヤが落ちる
・元気がない
・お腹が膨らんでいる
・貧血
・発育不良(子犬)

寄生数が多いほど重症化しやすく、消化管に回虫が詰まって腸閉塞を引き起こすこともあり注意が必要です。

回虫症の原因

回虫症の原因は、回虫と呼ばれる寄生虫が体内に入り込むことによるものです。

回虫症の予防

回虫症の予防は、動物病院での定期的なチェックと駆除薬を使うことです。
駆除薬は胎児に影響を与えるものもありますので、妊娠の可能性がある犬は獣医さんにしっかり相談しましょう。
また、子犬の場合は、おうちにやってきた時に健康診断を受けておくと安心できるでしょう。
また、犬の便はすみやかに片付けることが大切です。

回虫症になりやすい犬種

全ての犬種

わんちゃんに不安なことがあれば、獣医さんにご相談ください。


投稿者プロフィール

みやびさん
みやびさん小動物看護士・ペット繁殖指導員・ペット販売士
ポメラニアンとポメチーの女の子のママしています。
ペットショップ勤務をしていましたが、現在はペットに関するライターをしています。
家族と犬がより良く過ごせるように応援しています♪
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