エキノコックス症(多包条虫症)

エキノコックス症とは

エキノコックス症とは人畜共通感染症(ズーノーシス)の1つであり、エキノコックス(多包条虫)と呼ばれる寄生虫に寄生されることによって、人間では重い肝臓障害を起こす病気のことです。
犬の場合は無症状であることが多いため、気付きにくい病気であるとも言えます。
エキノコックスは元々、北海道のキタキツネに寄生している寄生虫で有名ですが、野ネズミにも寄生が広がっています。
エキノコックス症は地方病であると考えられてきましたが、近年では日本の各地にもエキノコックスの感染は広がっており、注意が必要です。

目次

エキノコックスの終宿主はイヌ科の動物

エキノコックスの中間宿主は人間や野ネズミであり、終宿主は犬やキツネなどのイヌ科の動物であるとされています。
そのため、エキノコックスは、終宿主である犬やキツネなどのイヌ科の動物の消化管に寄生し、糞中に卵が排泄されます
その卵を含んだ糞が土壌に広がり、汚染された場所で育った野菜や水などを食することによって中間宿主である、人間や野ネズミに感染、寄生するのです。
そして、中間宿主であるネズミの捕食によって、再び犬への寄生が広がっていくのです。

エキノコックス症の症状

・無症状
・下痢

エキノコックス症の原因

エキノコックス症の原因は、エキノコックス(多包条虫)と呼ばれる寄生虫が経口摂取で体内に入り込み寄生することです。

エキノコックス症の予防

エキノコックス症の予防は、野生動物が多い地域の散歩を避けることが大切です。
また、犬の場合はエキノコックスの卵を食べても感染しない=感染した動物を食べることによって感染しますので、死骸などの拾い食いを防ぐことが重要です。
感染した犬は1ヶ月~約2ヵ月程度で糞便中に卵を排出します。
しかし、犬は無症状であることが多いため、飼い主さんは気付かないことも多いでしょう。
ですので、犬のトイレの掃除には日頃から使い捨て手袋を装着したり、消毒を行うことが大切です。
エキノコックスは、熱に弱く60℃~80℃のお湯で約5分で死滅が確認されています。
糞便中の虫卵殺滅法は70℃で約12時間の処理が確実である
との報告もあるため、犬のトイレ掃除には、トレーを2枚準備し消毒を行い、清潔なものを順番に使用するといいですね。
また、野生動物が多い地域や感染が見つかった地域では定期的に、動物病院で検便検査を行ってもらうことも大切です。

エキノコックス症になりやすい犬種

全ての犬種

わんちゃんに不安なことがあれば、獣医さんにご相談ください。


投稿者プロフィール

みやびさん
みやびさん小動物看護士・ペット繁殖指導員・ペット販売士
ポメラニアンとポメチーの女の子のママしています。
ペットショップ勤務をしていましたが、現在はペットに関するライターをしています。
家族と犬がより良く過ごせるように応援しています♪
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