鼻腔内腫瘍

鼻腔内腫瘍とは

まず、鼻腔とは鼻の穴から体内を通る空気の道のことです。
そして、副鼻腔とはおでこのあたりにある空洞の空間のことを指します。
この鼻腔と副鼻腔の部分にできる腫瘍の総称を鼻腔内腫瘍と言います。
鼻腔内腫瘍は犬の体にできる腫瘍の約1パーセントと言われていますが、鼻腔内腫瘍のうち80パーセントは悪性と言われています。

目次

進行すると顔面変形のリスクもある

鼻腔内腫瘍は、他の腫瘍と比較しても進行が速いことが挙げられます。
鼻腔は顔の中心にあることから、腫瘍が大きくなると目や脳を圧迫したり、皮膚を突き破って体表に現れてしまうので、顔面の変形に繋がってしまいます。

鼻腔内腫瘍はシニア期で長頭種の犬が患いやすいと言われていますが、稀に若年での発症もありますので注意が必要です。

また、鼻腔内腫瘍は部分的な浸潤が主で、転移は起こりづらいとされています。
しかし、発生した鼻腔内腫瘍は根治することが極めて難しく、進行度に伴い、症状も呼吸困難やけいれん、強い痛みなどの苦しいものが増えていく傾向にあることから、最後には安楽死を選ぶ飼い主さんもいます。

鼻腔内腫瘍の症状

・食欲低下
・鼻水が出る
・黄色い鼻水が出る
・くしゃみをする
・いびきをかくようになる
・鼻血が出る
・目ヤニが多くなる
・目が飛び出る
・顔が腫れる
・鼻筋が隆起する
・鼻筋の変形
・呼吸困難
・けいれん
・麻痺

犬は、基本的にあまり鼻血を出すことはありません。
鼻血が出た時には、何らかの深刻なトラブルがあると考えていいでしょう。
犬の鼻血は、鮮血が多く出ることもあり、飼い主さんもビックリしてしまうと思いますが、落ち着いて犬の鼻筋を保冷剤で冷やすなどして、動物病院に向かいましょう。
人間だと鼻の中にティッシュを詰める、押さえるということをすることもありますが、これらの行動は犬にとって窒息の恐れがありますので止めましょう。

鼻腔内腫瘍の原因

鼻腔や副鼻腔に腫瘍が発生することが原因です。

鼻腔内腫瘍の予防

鼻腔内腫瘍の予防は確立されていません。
しかし、腫瘍のリスクを伴うタバコなどの煙からペットを遠ざけることはとても大切なことと言えます。

鼻腔内腫瘍は初期症状が分かりづらく気付きにくいため、腫瘍が進行してから顔面の腫れや顔面の変形によって気付くことが多い病気です。
ですので、日頃のボディチェックでも顔周りをしっかり見て触ってあげることが早期発見へ繋がります。

鼻腔内腫瘍になりやすい犬種

コリー
ボルゾイ
ゴールデン・レトリバー
ラブラドール・レトリバー
シベリアン・ハスキー
シェットランド・シープ・ドック
イタリアン・グレイハウンド
ビーグル
ウィペット
ダックスフンド
など

鼻腔内腫瘍はマズルの長い、長頭種と呼ばれる犬種が多く発生すると言われていますが、どの犬種でも発症する可能性があります。
また10歳~のシニア犬に発症が多く見られますが、一概には言えません。

わんちゃんに不安なことがあれば、獣医さんにご相談ください。

投稿者プロフィール

みやびさん
みやびさん小動物看護士・ペット繁殖指導員・ペット販売士
ポメラニアンとポメチーの女の子のママしています。
ペットショップ勤務をしていましたが、現在はペットに関するライターをしています。
家族と犬がより良く過ごせるように応援しています♪
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