常同障害とは
人間もストレスを感じることで様々な症状が出てしまうことってありますよね。
特に、今の時代はストレス社会と言われていますが、犬も人間と同じようにストレスを感じ、様々な症状でシグナルを出します。
そのシグナルの中の1つに常同障害と呼ばれるものがあります。
常同障害は、精神的なストレスが要因となり、異常に同じ行動を何度も繰り返し行うことを言います。
常同障害は、人間で言う強迫観念のようなものであると考えられており、自分の意思では止められない状況にまでなってしまっている状態です。
『常同行動』と『常同障害』の違いはなんだろう?
犬は不安や緊張を感じた時に、全く関係のない行動を取ろうとします。
例えば、お風呂が苦手な犬を入浴させた時に、生あくびを連発したり、動物病院が苦手な犬の場合は、手足を舐めたり。
他にも、顔や耳を掻いたり、尻尾を追いかけてグルグル回る動きをすることもあります。
犬が自分をリラックスさせるために行い、比較的短時間で終了すること、遊びと認識できる時間の長さで行うことは、犬が行う正常の範囲であり『転位行動』と呼びます。
しかし、これらの行動が何度も繰り返される状況になると『常同行動』となるのです。
そしてさらに、これらの行動の頻度が高い、行う程度がひどい状況になり、日常生活に支障が出てしまう状態になると『常同障害』と呼ばれます。
常同障害は、幻覚症状を起こすこともあります。
犬の目前には何もいないのに、まるで目の前に虫が飛んでいて、それを捕まえようと飛び上がったり、口をパクパクしたりする仕草(ハエ追い行動)をしたり、光や影を追うような仕草をしたりします。
常同障害の症状
・自分の尻尾を執拗に追いかける
・足先をひたすら舐める
・脇腹をひたすら舐める
・体の一部をかじる
・体の一部を吸う
・ひたすら穴を掘る
・同じ場所をウロウロと歩き回る
・吠え続ける
・空中に向かって口をパクパクさせたり、何かを捕まえるような行動をする
自分の体を舐めたり噛んだりすることで、出血してしまったり、炎症を起こす場合があります。
また、脱毛が見られることもあります。
常同障害の原因
常同障害の原因は、遺伝子的な要因も指摘されていますが、まだはっきりとはわかっていません。
しかし、生活上の問題によるストレスが常同行動に繋がり、常同障害へとエスカレートしてしまうことから以下のようなものが原因になる可能性が高いと考えられています。
・飼い主さんとのコミュニケーション不足
・生活環境の変化(引っ越し、家族が増えた、飼い主さんの入院や死別、近隣工事の騒音など)
・運動が少なすぎる、または多すぎる
・体罰や大きな声で叱られるなどの恐怖
・家族間の喧嘩
・犬が生活する環境が狭い(サークルやクレートに入れられっぱなしなど)
・同居犬などの自分以外のペットが増えた
・病気や怪我による痛み
・分離不安症
・長時間の留守番
など
犬の個体によってストレスを感じる程度や原因は様々です。
常同障害を引き起こす場合は、原因が多重になっていることが多い傾向にあるため、犬の状況をしっかりよく見て判断することが大切です。
常同障害の予防
常同障害を予防するには、過剰に犬にストレスを与えないように配慮することが大切です。
飼い主さんから見れば、犬のために良かれと思ってしていることでも、犬には悪影響であることもあります。
例えば、散歩も犬種の大きさや頻度、距離を見極めて行ってあげないと、ストレスに繋がってしまいます。
犬の立場になって、どのようにすればストレスを感じづらいかを考えて、生活環境を整えてあげることが大切です。
常同障害になりやすい犬種
全ての犬種
わんちゃんに不安なことがあれば、獣医さんにご相談ください。投稿者プロフィール
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ポメラニアンとポメチーの女の子のママしています。
ペットショップ勤務をしていましたが、現在はペットに関するライターをしています。
家族と犬がより良く過ごせるように応援しています♪
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