髄膜腫

髄膜腫とは

髄膜とは脳と脊髄を包み保護する膜のことです。
髄膜は、外側から硬膜、クモ膜、軟膜の順番に層となり編成されているもので、この部分に腫瘍が発生することを髄膜腫と言います。
この腫瘍は、比較的良性のことが多いのですが悪性のケースもあり、他の臓器に転移することもあるので注意が必要です。

髄膜腫は犬の脳腫瘍の中で、約半数を占める割合で発生し、一番多い腫瘍となります。
診断はMRIやCTを使って行います。

目次

髄膜腫は後遺症が残ることもある

髄膜腫は、脳そのものから発生する腫瘍ではなく、脳の外側に発生する腫瘍です。
そのため、脳を圧迫するケースが多いのですが、浸潤(組織に広がるもの)のケースもあります。
犬の場合は浸潤するケースが多く見受けられるため、手術で全て取り除くことが難しいと判断されることがあります。
手術後は、放射線治療や抗がん剤治療を継続的に行う必要がある場合もありますので根気よく治療をしていきましょう。

また腫瘍の進行度により、脳の圧迫が進むと脳へのダメージを受けてしまい、後遺症が残る可能性があります。
合併症として脳圧の変化、脳の周りの神経の障害、視神経の障害、血管の障害などもありますので、症状に気付いたらすぐに動物病院で診察や検査を受けましょう。

髄膜腫の症状

・食欲がない
・嘔吐する
・よだれを垂らす
・眼振(眼球が揺れる)がある
・首をいつも傾けている
・ぼんやりしている時が多い
・痛みのために鳴く
・頭を振る
・頭を物に押し当ててこする
・けいれんをおこす
・歩き方がおかしくなる
・性格が変化する(急に攻撃的になるなど)
・目が見えていない
・眼球が押し出されている気がする
・においに鈍感になった
・耳が遠くなった
・耳が聞こえていない

腫瘍の大きさやできる場所によって、目や耳、嗅覚にも影響を及ぼします。

髄膜腫の原因

脳の外側を覆っている髄膜に腫瘍が発生することが原因です。

髄膜腫の予防

髄膜腫の予防法は、現在ではありません。
できることと言えば、日頃からのペットの生活の中で『なにかおかしい』と感じることがあれば、きちんと動物病院へ行き、診察を受けることです。

もし、ペットが髄膜腫を発症してしまい、手術を受けた場合はその後が肝心です。
ペットの容体が落ち着いたらマッサージなどを行い、リハビリをしてあげましょう。
体に麻痺が残ってしまった場合などは、麻痺している部分がとても冷たくなってしまうので、声をかけながら優しくさすってあげたり、動けない場合は体位を一定時間で変えてあげると褥瘡を防げます。

髄膜腫になりやすい犬種

全犬種

比較的、高齢のわんちゃんが発症しやすいと言われています。
わんちゃんに不安なことがあれば、獣医さんにご相談ください。

投稿者プロフィール

みやびさん
みやびさん小動物看護士・ペット繁殖指導員・ペット販売士
ポメラニアンとポメチーの女の子のママしています。
ペットショップ勤務をしていましたが、現在はペットに関するライターをしています。
家族と犬がより良く過ごせるように応援しています♪
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