フィラリア症(犬糸状虫症)とは
フィラリアとは寄生虫の1種であり、蚊が媒介する病気です。
フィラリアはミクロフィラリアから、感染力のある幼虫に成長するために蚊の体内に生息します。
そして蚊が吸血を行うタイミングで犬の皮下組織や筋肉、脂肪部分などに入り込み、寄生します。
フィラリアの成虫は犬の体内で成長し、成虫になるとオスで体長約20㎝ほど、メスで約30㎝ほどの細長い糸のようになります。
この成虫が肺動脈や心臓に住み着き、血液の循環に悪影響を及ぼします。
そして、肝臓や腎臓、肺などの臓器の悪化に繋がり、さまざまな合併症を起こして死に至ってしまうのです。
フィラリア症は犬の病気の死因トップ
日本は四季がある国ですので、蚊が発生しやすい時期と、そうでない時期によりフィラリアに感染する季節が分かれていました。
ですが、近年地球温暖化の影響もあり、蚊が発生する期間が長くなってきたことに伴い、フィラリア症にかかってしまう犬も増加傾向にあり、死因トップに繋がっています。
フィラリアは、幼虫から約半年程度で成虫に成長することから、感染してもしばらくは無症状です。
しかし、無症状であっても確実に犬の体内で繁殖し、ミクロフィラリアが血液中に流れているのです。
そして、感染した状態の犬の血液を蚊が吸血することにより、蚊に寄生し、他の犬への感染に繋がってしまうのです。
感染犬は、数年後に咳や呼吸が荒くなるなどの症状があらわれ、散歩中にしんどそうにすることが多くなります。
重症になると貧血の症状や血尿が見られ、死に至ってしまうのです。
フィラリアは、寄生する部分が心臓や肺などの臓器であることから、摘出は非常に困難ですし、血液中にミクロフィラリアが流れているため、成虫が犬の体内にいるであろうと予測される状況では治療は難しいと言えます。
よって、感染させないことが非常に重要になる病気なのです。
フィラリア症は予防薬を使うことで発症を防ぐことが可能です。
蚊が発生しやすい時期前~蚊が見られなくなるであろう1ヶ月後まで、予防薬を犬に与えることで確実に感染を防げるようになっています。
フィラリア症(犬糸状虫症)の症状
・早朝に乾いた咳をする
・ゼーゼーした咳をする
・喉に何かつまったような仕草をする
・激しい動きのあとに失神する
・お腹に水がたまり膨れている
・散歩中に階段を登るのを嫌がる
・毛づやが悪くなった
・急激に痩せた
・血尿が出る
・元気がなくなり散歩に行きたがらない
フィラリア症(犬糸状虫症)の原因
蚊が媒介するフィラリアと呼ばれる寄生虫が原因です。
フィラリア症に感染した犬を蚊が吸血し、また別の無感染の犬を刺すことでフィラリアが体内に入り込み、成虫になることで発症します。
フィラリア症(犬糸状虫症)の予防
四季の中でも気温が上がる梅雨~秋口にかけて蚊が発生します。
フィラリア症を予防するためには、予防薬をその時期よりも少し早く開始し、少し過ぎた季節まで薬で予防を行います。
蚊は小さな水たまりでも産卵をします。
蚊の発生を抑えるために、普段ペットがいる場所の近くに水が溜まっていたら排水したり、定期的に掃除をしましょう。
予防薬は、飲み薬がメジャーで、他にも注射タイプもあります。
フィラリア症の予防薬は、蚊に刺されて犬の体内に入ってしまったフィラリアの幼虫を、心臓や肺などの大切な臓器にに辿りつくまでに殺虫する効果があるように作られており、もしフィラリアの感染力がある幼虫が犬の体内に入ったとしても発症しないように作られているのです。
よって、フィラリアの幼虫が成虫になるまでの2~3ヶ月の間が薬が有効な期間になります。
成虫になってしまうと予防薬では駆除することができないので、投薬は1ヶ月 に1回、定期的に行いましょう。
予防薬は、蚊がいなくなる季節の約1ヶ月後までが必要な期間です。
地域によっては、気候の変動などで冬でも蚊が発生していますので、動物病院で指定された期間をきちんと守りましょう。
【フィラリアの予防薬を飲む前に気を付けたいこと】
また、もしフィラリア症を発生してしまった場合は、予防薬を与えると命に関わることがあります。
それは、成虫になったフィラリアを殺虫してしまうことで、臓器や血管などに詰まってしまう恐れがあるからです。
よって、予防薬を与える前には、フィラリア症を患っていないか動物病院で検査を受ける必要がありますので注意しましょう。
フィラリア症(犬糸状虫症)になりやすい犬種
全犬種
どの犬種もフィラリア症になる可能性はありますが、特に蚊に刺されやすい屋外で飼育されているペットは感染しやすいと言えます。
また、保護犬は適切なフィラリア予防を受けられていない場合があるので、飼い始める際にフィラリア検査を必ず受けましょう。
わんちゃんに不安なことがあれば、獣医さんにご相談ください。
投稿者プロフィール
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ポメラニアンとポメチーの女の子のママしています。
ペットショップ勤務をしていましたが、現在はペットに関するライターをしています。
家族と犬がより良く過ごせるように応援しています♪
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