聴覚障害

聴覚障害とは

聴覚障害とは、先天性、または後天性によるもので、音が聞こえづらかったり、聞こえないことを指します。
犬の聴覚は、人間の聴覚よりもはるかに優れており、約40Hz〜65,000Hzの周波数を聞きとっています。
私たち人間が、日常生活で耳にする音は日常会話で500Hz∼2000Hzであり、救急車のサイレンの音で770Hz~960Hzです。
また、犬は1㎞先の音まで聞こえると言われており、障害物が無ければ、さらにもっと離れた場所の音も聞きとります。

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先天性の聴覚障害であれば、犬は不自由に感じていない可能性がある

先天性の聴覚障害であれば、音のない世界や音が少ない世界が基本であることから、犬は人間が心配するような不自由さは感じていない可能性があります。
しかし、外出時に車などに気付くことが遅れたり、しつけがうまく入らないなどのトラブルは付き物であると言えますので、飼い主さんがしっかりフォローをしてあげることが大切です。
後天性の聴覚障害の場合は、音のない世界、または音が少ない世界に慣れるまでは、不安に感じてしまい臆病になってしまう犬もいることでしょう。
この場合は、犬のペースに合わせて、飼い主さんがフォローをしてあげることが大切です。

また、片耳のみの聴覚障害は気付きづらいことが挙げられます。

聴覚障害の症状

・音が全く聞こえていない
・音が聞こえづらくなっている
・音に反応することがない
・音に反応が薄い
・しつけがうまくいかない
・名前を呼んでも反応しなくなった
・後ろから近づくととてもビックリされる
・眠っているときに大きな音を出しても起きない

聴覚障害の原因

聴覚障害の原因は先天性と後天性に分かれます。

◆先天性聴覚障害
耳が音を拾う部分の異常が原因と言われていますが、多くは毛色のカラーを決定する遺伝子によるものと言われています。
・マール遺伝子(部分脱色遺伝子)
黒い斑のあるグレー、またはブルーの被毛カラー。
コリー、シェット・ランド・シープドック、ミニチュアダックス、チワワ、ポメラニアンなど
・パイボールド遺伝子
ホワイトに1色もしくは2色の班が体に入る柄。基本的に白×黒が多いが、場合によっては、茶色やグレーの混色もある。
ダルメシアン、イングリッシュ・コッカー・スパニエル、ミニチュアダックス、ブルテリア、ブルドックなど

◆後天性聴覚障害
主に老化による耳の音を拾う器官の衰えによるもの。
または、甲状腺機能低下症外耳炎中耳炎などの病気からの波及によるもの。
他にも、頭部や耳の外傷、腫瘍、薬の副作用も挙げられます。

聴覚障害の予防

聴覚障害の予防は、先天性は生まれつきのものであるため防ぐことはできません。
後天性の聴覚障害の予防は、甲状腺機能低下症外耳炎中耳炎などの病気を患わないように注意してあげることになります。
また、頭部や耳への外傷も注意しましょう。
もし、聴覚障害が発覚したとしても、犬は飼い主さんとコンタクトをとることは可能です。
もちろんアイコンタクトも大切ですが、犬に何かを伝えたい場合はジェスチャーを使って語り掛けながら行うといいでしょう。
はじめはうまくいかないかもしれませんが、犬は飼い主さんの動きと口の動きを理解して行動するようになります。

聴覚障害になりやすい犬種

コリー
ダルメシアン
シェット・ランド・シープドック
イングリッシュ・コッカー・スパニエル
ブルテリア
ブルドック
ミニチュアダックス
ポメラニアン
チワワ
など

特定の遺伝子を持った上記の犬種、または全てのシニア犬

わんちゃんに不安なことがあれば、獣医さんにご相談ください。


投稿者プロフィール

みやびさん
みやびさん小動物看護士・ペット繁殖指導員・ペット販売士
ポメラニアンとポメチーの女の子のママしています。
ペットショップ勤務をしていましたが、現在はペットに関するライターをしています。
家族と犬がより良く過ごせるように応援しています♪
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