肝炎

肝炎とは

肝炎とは、臓器の1つである肝臓が様々な理由によって炎症を起こしてしまい、肝臓の機能が低下してしまう病気のことです。

肝炎は、アデノウイルス1型やレプトスピラなどのウイルスや細菌感染、寄生虫感染、薬物や肝臓に悪影響のある物質による中毒、遺伝性、腹部の怪我や損傷によるものにより発症します。

肝臓は、ダメージを受けて機能の80パーセントの部分が低下しても、残りの部分で補えるほど再生能が強い臓器です。
それによって、初期の症状が水面下に隠れてしまい、見落としがちであることから『沈黙の臓器』と呼ばれる程です。
要するに、症状が複数出現している状態は、病気が進行している可能性が非常に高い可能性がありますので、注意をしておかなければいけない臓器なのです。

目次

肝炎には2つのパターンがある

肝炎は急性肝炎と慢性肝炎があり、症状や原因によって振り分けられます。
慢性肝炎は、犬の肝硬変の原因としても主に挙げられる状態ですので、発症した場合は注意が必要です。

肝炎の症状

肝炎の症状は、急性と慢性により違いがあります。

急性肝炎の症状

・食欲がない
・元気がない
・おしっこの量が多い(多尿)
・水をよく飲む(多飲)
・嘔吐
・下痢(黒ずんでいる)
・白目や口の中の粘膜や皮膚が黄色くなる
・お腹が膨れる(腹水)

慢性肝炎の症状

・食欲がない
・元気がない
・おしっこの量が多い(多尿)
・水をよく飲む(多飲)
・嘔吐
・下痢
・白目や口の中の粘膜や皮膚が黄色くなる(黄疸)
・お腹が膨れる(腹水)
・体重が減る
・出血が止まりづらくなる
・攻撃的になる(肝性脳症)
・痴呆(肝性脳症)
・うつ状態(肝性脳症)

肝炎の原因

肝炎の原因は、急性と慢性により違います。

急性肝炎の原因

急性肝炎の原因として挙げられるものは、アデノウイルス1型やレプトスピラなどのウイルスや細菌感染、寄生虫感染、薬物や肝臓に悪影響のある物質による中毒や外傷による腹部損傷です。
薬物や肝臓に悪影響のある物質とは、洗剤や医薬品のアセトアミノフェンの誤飲誤食、人間の歯みがき粉やチューイングガムに含まれるキシリトールなどが挙げられます。
また、膵炎や熱中症などの併発として起こる場合もあります。

慢性肝炎の原因

慢性肝炎の原因は、原因を特定することが難しい傾向があります。
しかし、その中でも肝臓への銅の蓄積が挙げられ、これは遺伝性のものと言われています。
遺伝性のものは、発症した犬の血縁関係にある犬に多く発症が見られやすいと言うことです。
中でも、ベドリントン・テリアのみ、特定された遺伝子疾患が認められていますが、その他にも好発犬種はいますので注意しましょう。

肝炎の予防

肝炎の予防策としては、アデノウイルス1型やレプトスピラはワクチン接種で防ぐことができます
ワクチンは接種項目の数で受ける抗体数が違うので、動物病院で確認してみるといいでしょう。
また、犬の誤飲誤食を防ぐ生活スタイルを送ることもとても重要です。
肝臓は沈黙の臓器と言われる程、初期の症状は分かりづらく見落としがちです。
ですので、やはり定期的に健康診断を受けることが一番の予防策と言えます。

肝炎になりやすい犬種

ベドリントン・テリア
グレートデン
ドーベルマン
ダルメシアン
ラブラドール・レトリバー
スタンダード・プードル
サモエド
ジャーマン・シェパード
アメリカン・コッカー・スパニエル
イングリッシュ・コッカー・スパニエル
ジャックラッセルテリア
ウエスティ
ミニチュア・シュナウザー
ケアン・テリア
ヨークシャテリア
など

メスの犬の方が慢性肝炎にかかりやすいと言われていますが、もちろんオスだって慢性肝炎にかかる場合もありますので、定期的なペットドックなどを活用することをおすすめします。

わんちゃんに不安なことがあれば、獣医さんにご相談ください。

投稿者プロフィール

みやびさん
みやびさん小動物看護士・ペット繁殖指導員・ペット販売士
ポメラニアンとポメチーの女の子のママしています。
ペットショップ勤務をしていましたが、現在はペットに関するライターをしています。
家族と犬がより良く過ごせるように応援しています♪
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