環軸亜脱臼症

環軸亜脱臼症とは

環軸亜脱臼症(かんじくあだっきゅう)とは、環軸椎亜脱臼症(かんじくついあだっきゅう)や環軸椎不安定症(かんじくついふあんていしょう)などともよばれる病気で、犬の首に7つある頸椎のうち、1番目の環椎(かんつい)と2番目の軸椎(じくつい)の間が不安定(亜脱臼状態)になり、脊髄の圧迫による四肢の麻痺や痛みが生じます。
亜脱臼とは、骨同士が完全に離れ、外れてしまっている状態の脱臼とは違い、部分的に骨が本来の位置からずれてしまっている状態のことを言います。

目次

環軸亜脱臼症は痛みを伴う

環軸亜脱臼症は痛みを伴うことから、首を動かしたり傾げたりすることができなくなります。
よって、犬は首を動かさずに目で物を追う仕草を行うようになります。
しかし、突発的に起こった場合は、我慢強い性格の犬でも痛がって鳴くことがあります。
重症になった場合は、神経の圧迫から、歩行ができなくなったり、四肢の麻痺、呼吸困難などの症状が出ることもありますので注意が必要です。
環軸亜脱臼症は、小型犬での発症が多い傾向がありますが、大型犬でも好発犬種が認められている病気です。
また、環軸亜脱臼症は先天性のものと後天性のものがあり、先天性のものは生後6ヵ月~1歳程度の若い犬に見られます

環軸亜脱臼症の症状

・首を触られることを嫌がる
・首を触ると痛がる
・首を動かさない、物を目で追う仕草をする
・首を曲げたがらない
・ふらつき
・立ち上がることができない
・ジッと同じ姿勢でいることが多い
・四肢の麻痺
・呼吸困難

環軸亜脱臼症の原因

環軸亜脱臼症の原因は先天性によるものと後天性によるものがあります。
先天性のものは、環椎や軸椎の奇形、頸椎の靭帯が生まれつき弱かったりすることによる剥離などによるものです。
後天性のものは、頸椎への負担によるもので、衝撃や外傷、骨折によるものです。

環軸亜脱臼症の予防

環軸亜脱臼症の予防は、先天性のものは予防が難しいですが、後天性のものであれば首への衝撃や負担を減らしてあげることです。
衝撃や外傷は、他の犬との喧嘩などのトラブルや、交通事故や落下事故などによって起こります。
このようなトラブルや事故が起こらないように、日頃からペットのしつけやコントロールを充分に行うことが大切です。
環軸亜脱臼症は、症状が軽い場合は内科的治療や運動抑制をして治療を行うこともありますが、症状が重い場合は、外科的治療が主になることから、麻酔や手術自体のリスクも考慮しなければいけません。
脊髄やその周りの神経の損傷が少ないほど症状の改善が認められますが、損傷が大きければ症状の改善が見込めないこともあります。
よって、ペットが首に違和感があるというシグナルを出していたら、早急に動物病院で相談することをおすすめします。

環軸亜脱臼症になりやすい犬種

ダックス・フンド
マルチーズ
ヨークシャ・テリア
ポメラニアン
チワワ
など

小型犬に発症が多い傾向がありますが、全てのサイズの犬種に発症します。

わんちゃんに不安なことがあれば、獣医さんにご相談ください。

投稿者プロフィール

みやびさん
みやびさん小動物看護士・ペット繁殖指導員・ペット販売士
ポメラニアンとポメチーの女の子のママしています。
ペットショップ勤務をしていましたが、現在はペットに関するライターをしています。
家族と犬がより良く過ごせるように応援しています♪
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