イエロードックプロジェクト

イエロードックプロジェクトは、2012年にスウェーデンで始まった活動です。
人間にも様々な個性があるように、犬にも様々な個性があります。
その中でも特に、家族以外の周囲の人や動物に苦手意識を持っているなどの理由の犬でも社会活動をさせたいと言う願いから行われているものです。
日本での認知はまだまだこれからといったところですが、SNSなどでも情報共有が行われ徐々に拡がりをみせています。

目次

イエロードックプロジェクトは黄色いリボンが目印

イエロードックプロジェクトでは、犬のリードやハーネス、首輪など目に見える部分に黄色いリボンや缶バッチなどを付けて視覚的に見た人に犬の状態を伝えています。
犬は言葉を喋ることができませんし、咄嗟の場合は飼い主さんが近くにいても対応しきれないこともあるので視覚的に訴えることは、周りからしても、飼い主さんにしても、そして犬にとっても安心できますね!

どんな犬が黄色いリボンを付けているのか

では、イエローリボンを結んでいる犬はどんな犬なのでしょう?
先述したように、家族以外の周囲の人や動物に苦手意識を持った犬もいますが、他にも健康上の問題を抱えている犬、リハビリテーション中である犬、トレーニング中の犬も含まれます。

  • 他の人間や動物との接触に恐怖や不安を感じている犬
  • 臆病な性格の犬
  • 体が不自由な犬
  • 手術後などのリハビリテーション中の犬
  • 社会化訓練中の犬
  • ワーキングドックの訓練中
    など

では、これらの理由をさらに掘り下げて見ていってみましょう。

他の人間や動物との接触に恐怖や不安を感じている犬

過去に虐待を受けていた犬は、人や動物に対して不安や恐怖感を感じることも珍しくありません。
そのため、急に近寄ってきた人や動物にビックリしてしまい、逃げまどったり、自分を守るための防衛反応から攻撃的になってしまう子もいます。
ですから、徐々に周りの環境に慣れさせて、安心を得ることができるように練習をしている時にイエローリボンなどで意思表示をしているのです。

臆病な性格の犬

人間にも様々な性格の持ち主がいるように、犬にも様々な性格の持ち主がいます。
体のサイズは関係なく、臆病な性格の犬だって中にはいますよね。
臆病な性格の犬にとって、見知らぬ人や動物との接触はストレスを感じてしまうこともあります。
そのため、イエローリボンを結んでいることがあります。

体が不自由な犬手術後などのリハビリテーション中の犬

病気や先天的な理由などから、体が不自由な犬もいます。
また、手術後などのリハビリテーション中の犬もいますよね。
そのため、他の人や動物が近づくことによって怪我に繋がったり、悪化を防ぐためにイエローリボンで意思表示をしています。

社会化訓練中の犬

犬の社会化が充分でないことによって、他の人や動物に対して過剰に反応してしまうことがあります。
他の人や動物に対して、吠えてしまったり、飛びついてしまったりして、相手に怪我をさせてしまうことを防ぐため、イエローリボンで注意を促していることがあります。

ワーキングドックの訓練中

犬の中には人間と共に仕事を行っている犬もいます。
例えば、盲導犬の訓練は人が多い場所で行うこともあるので、見かけたことがある方もいるのではないでしょうか?
訓練中の犬に不用意に声をかけたり近づいてしまうと、集中力が散漫になってしまいます。
そのため、イエローリボンを装着し訓練を行っていることもあるのです。

イエロードックを見かけた場合

犬が好きな人であれば、撫でたり、声をかけたくなる気持ちも充分にわかります。
しかし、上記の様々な理由からもわかるように、イエロードックを見かけたら、近づかずにそっと見守ってあげることが大切です。
犬が好きな人だからこそ、犬の抱える様々な問題にも気付いてあげることが大切ですね。
犬の中には、じっと見つめられるだけでも強いストレスを感じてしまう子もいますので、自然に対応してあげることも重要なポイントです。

イエロードックプロジェクトの必要性

どうしてイエロードックプロジェクトが必要になったか、考えてみました。
筆者も愛犬と生活を共にしているのですが、散歩中に度々発生して困ったことを挙げてみます。

突然の声かけから犬へのタッチ

散歩中に突然「キャー!かわいい~!!」と声が聞こえ、愛犬に駆け寄られ撫でられる…。
我が家の愛犬は突然の大声と黄色い歓声(?)によって、ビックリして耳は後ろに倒れ、後ずさり…。
ひどい時には、ひょいっと抱っこまでされてしまったこともあります。
「ウチにも犬がいたのよ~!」「イイコね~!!」と言われましても、これは私の犬であってあなたの犬ではありませんし、イイコにしているのではなくて固まってしまっているだけなんですけどね(汗)
こんな経験ありませんか?
これは、マナー違反だと私は感じました。

リードを伸ばした状態で犬を近づけてくる

散歩中、他のはじめて出会う散歩中の犬とすれ違う際に、「ほら!お友達がいるよ!」と犬を近づけてきた方もいました。
犬同士でも気が合わないこともありますし、ヒヤヒヤした経験があります。
皆さんはこんな経験ないでしょうか?

このようなことは不慮の事故や、犬同士の喧嘩や他者を咬むなどの加害者にならないように飼い主さんが気を付けていても防ぎようがありません。
そのために大切なことは、お互いにマナーを守ることだと筆者は感じています。

他人の犬を触る時のマナーや飼い主の意思表示も大切

では、他人の犬を触る場合のマナーとはどのようなものかご紹介します。

  • 触ってもいいか声をかける
  • 大きな声を出さない
  • 正面から近づかない
  • すれ違う時はリードの長さに注意をする
  • 安易に犬を近づけさせない
    など

これらのことが世の中に浸透していればいいのですが、日本ではまだまだ浸透していないのが事実です。
また、相手が子供の場合はこのようなマナーを知らない場合もあります。
そのような場合には、飼い主のしっかりとした意思表示を行うことも大切です。

  • 他の犬や人間にビックリしているから声をかけて控えてもらうように促す
  • 咬んで怪我をさせてしまってはいけないからと理由を話す
  • 他の人や犬が近くにいる場合は抱きかかえたり、通り過ぎるのを待つ
    など

知らない人に意思表示をすることは、勇気が必要な場合もありますよね。
しかし、これは飼い主であるあなた自身と愛犬、周りの人、または他の犬にとっても大切なことです。
トラブルを回避するためにも、しっかり伝える必要があります。
しかし、現実的にはとっさのことで対処ができなかったなどのこともあるでしょう。
そして、このような犬に関わるトラブルなどを自然に回避できるように考案された結果、離れていても視覚で気付くことができるイエロードックプロジェクトが行われるようになったのではないか、と筆者は感じます。

イエロードックかどうかの判断は慎重に行いましょう

イエロードックプロジェクトは、そっとしておいてほしい犬のアピールとしてとてもわかりやすく効果的です。
しかし、愛犬をイエロードックかどうかの判断は慎重に行う必要があります。
犬にとって、他の人間や犬とのコミュニケーション能力を学ぶことはとても大切で重要なことす。
また、環境や人間社会に慣れて生活を送ることも大切です。
飼い主の思い込みにより、愛犬をイエロードッグ扱いしてしまうことは愛犬の社会化の機会を奪ってしまうことに繋がりかねません。
愛犬の性格や状況などを飼い主がしっかり認知し、犬の行動などを学ぶことでイエローリボンが本当に必要かどうかを見極めてあげてくださいね。

投稿者プロフィール

みやびさん
みやびさん小動物看護士・ペット繁殖指導員・ペット販売士
ポメラニアンとポメチーの女の子のママしています。
ペットショップ勤務をしていましたが、現在はペットに関するライターをしています。
家族と犬がより良く過ごせるように応援しています♪
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