犬の膀胱移行上皮癌

犬の膀胱移行上皮癌とは

膀胱移行上皮癌とは、犬の尿路器官のうちの膀胱に発生する腫瘍です。
膀胱移行上皮癌は、腎臓から出ている尿管と膀胱が繋がっている部分での発生が多く認められます。
犬の膀胱腫瘍のほとんどの割合を占めている腫瘍です。

目次

膀胱移行上皮癌は転移の発生が生じる傾向が高い

膀胱移行上皮癌は、リンパ節や肺、骨などに転移が起こりやすい腫瘍です。
一般的には、膀胱移行上皮癌の予後は悪く、短命であることが知られていますが、早期発見、早期の手術や治療を行うことで生命維持できる可能性もあります。
膀胱移行上皮癌の症状は、膀胱炎とよく似ていることがあり、これは腫瘍が大きくなることで尿が通る通路が塞がれる、または圧迫されることによって引き起こされます。
尿管が塞がれると水腎症、尿道が塞がれると尿道閉塞に陥りやすく、急性腎不全に進行することもあるので注意が必要です。

犬の膀胱移行上皮癌の症状

・血尿
・トイレの姿勢を取るが、少ししか尿が出ていない
・トイレの姿勢を取るが、尿が出ていない
・尿の色がおかしい
・食欲減退
・体重減少

転移が起こる部位によって症状が違ってきます。
例えば、足の骨に転移が発生すると、足をかばうように歩く、歩きたがらない、足を痛がるなどの症状が見られます。

犬の膀胱移行上皮癌の原因

膀胱移行上皮癌の発生原因は不明とされていますが、慢性の膀胱炎による関連性や殺虫剤や除草剤などの特定の犬にとって有害な物質との関連性が指摘されています。
また、BRAF遺伝子の変異による関連性も指摘されています。
BRAF遺伝子とは、癌細胞の増殖に関わるタンパク質のことを言います。
変異がある場合は、癌細胞を増殖させるボタンが常にオン状態となり、がん細胞が限りなく増殖します。
BRAF遺伝子の変異は、犬の膀胱移行上皮癌と前立腺腫瘍の約70%~80%で認められます。

犬の膀胱移行上皮癌の予防

膀胱移行上皮癌の予防は、まだ確立されていません。
そのため、動物病院での定期的なペットドックを行うことが大切です。
また、日常生活では、愛犬の排尿に異常がないか気にかけてあげることも大切なことと言えるでしょう。
血尿や頻尿、尿の量が少なくなったなどの異変がある場合は、動物病院で検査を受けましょう。

膀胱移行上皮癌になりやすい犬種

スコッチテリア
ビーグル
シェットランドシープドッグ
など

シニア犬、またメスの犬での発生リスクが高い傾向がありますので注意しましょう。

わんちゃんに不安なことがあれば、獣医さんにご相談ください。


投稿者プロフィール

みやびさん
みやびさん小動物看護士・ペット繁殖指導員・ペット販売士
ポメラニアンとポメチーの女の子のママしています。
ペットショップ勤務をしていましたが、現在はペットに関するライターをしています。
家族と犬がより良く過ごせるように応援しています♪
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次